ASIA"Asia"、"Astra"、"Phoenix"を聴いた。立て続けにヘッドホンで聴いて感じたのだが、ジョン・ウェットンの声、25年近い時間の隔たりがあるはずなのに、ほとんど変わらない。レコーディングで何か細工でもしているのだろうか?
で、夕方にそのASIAのライヴを見に東京国際フォーラムへ行った。ライヴの詳細は下記に別記。
一緒に見に行ったkato-chanさんは前日、"Extreme The Dojo"でAT THE GATES、MAYHEM、PIG DESTROYERなどを見て一暴れして、今日はASIA、明日はaikoのライヴに行くそうだ。凄い日程だと感心。
新婚のランデヴーさんも土曜日に式を挙げたばっかりだってのに結婚休暇を利用して参加。新婚旅行は日を改めて行くらしい。
「まさか新婚旅行、LOUDPARK08で済ますの?」
と聞いたら、
「まさか…そんな事したら『離婚してくれ』って言ってるようなもんですよ」
と苦笑。
ライヴを堪能した後はお酒。帰宅後、WWE「ロウ」を見たが、ヒラリーvsオバマのリング上の対決(もちろん偽物)を見ながら爆睡。
5月12日:ASIA Live At 東京国際フォーラム
ジョン・ウェットン(Vo&B:KING CRIMSON~UK、'49年生まれ)
ジェフ・ダウンズ(Key:BUGGLES~YES、'52年生まれ)
スティーヴ・ハウ(G:YES、'47年生まれ)
カール・パーマー(Ds:E,L&P、'50年生まれ)
’70年代の英国ロックを代表する凄腕ミュージシャンが結集したスーパー・バンド、ASIAが結成25年に際してオリジナル・メンバーによるツアーと新作を発表した。過去に激しいメンバー・チェンジを繰り返し、一時は地に落ちた感もあったが、さすがにオリジナル・メンバーとなると国際フォーラムでライヴをやるくらいの御威光はあるらしい。客層も思いっきり大人ばかり。こりゃ座って鑑賞だな…
とはいえ、このメンツで制作された2枚…"ASIA"、"ALPHA"は永遠の輝きを放つ名作なのだ。
ライヴに関しては不安もあった。メンバーの年齢はいずれも還暦前後の上、J・ウェットンとC・パーマーが心臓の手術を行ったという事で、健康、体力面からもライヴの内容を期待するのは、実際に見るまでは無理というものである。
ステージは小型のモニターを後方に2基据え付けてある他は至ってシンプル。実際はこの会場より一回り小さいステージを想定して作られたセットではないか…と言う印象だ。
定刻を15分ほど過ぎたところで暗転…壮大なイントロをバックにモニターに"ASIA"のロゴマークが映し出される。
オープニング曲は…知らない曲だった(苦笑)。後で調べたら"Daylight"という曲だそうで、オリジナル・アルバム未収録曲で、ベスト・アルバムに収められているらしい。実際、観客の反応は鈍かったと思う。
しかし、出だしからJ・ウェットンの声が良く出ていてビックリ。新譜と初期の作品を続けて聴いた際、声があまり変わらないなぁと感じたが、この人は地声が強いのか…声質自体は憂いのあるタイプなのだが、生で聴くとその力強さに驚かされる。
続いてデビュー作からの名曲”Only Time Will Tell”が披露され、一気に盛り上がった。個人的には、この曲、そんな熱く語るほど好きでもないが、S・ハウの奏でるギターのメロディが心地よい。
むしろ、私は次にプレイされた”Wildest Dreams”に燃えた。この曲、後半にドラム・ソロがフィーチャーされているのだが、C・パーマー、心臓の病気で入院したとは思えないほど元気に叩きまくってるんですけど。実際、年相応に落ち着いたプレイ…なんて雰囲気は微塵もない、「元祖叩きまくりドラマー」の一人らしい、迫力のソロに大歓声が起こった。
ここに来てようやく新作のオープニング曲である”Never Again”が演奏された。反応は悪くないし、かつての名曲ばかりのセットでも違和感はなかった。歌メロが主体の曲だが、後半ではS・ハウらしいギター・ソロも入って盛り上がるし。
とは言え、次の曲の紹介の盛り上がりたるや、待望の新作など吹き飛ばすものだった。YESの名曲”Roundabout”である。8分強の大作だが、中間部のソロも含めて完奏!もうイントロとアウトロのS・ハウのギターで涙腺が緩んでしまった。原曲の印象的なベース・ラインを弾きながら歌わねばならないJ・ウェットンは大変そうだ。C・パーマーも手数の多さでは凌駕するB・ブラッフォードの複雑なドラミングを楽しんでプレイしている感じだ。それにしても、この曲を生で見られる日が来るとは…生きてて良かった。
デビュー作収録のパワフルなTime Again を挟んでジェフ・ダウンズのシンフォニックなキーボード・ソロへ。デビュー作の"Cutting It Fine"の後半部にラヴェルのボレロをアレンジした感じのシンプルにまとめられたソロだ。
ソロを終えたジェフはスティーヴ・ハウをコールして引っ込んだ。代わって出てきたスティーヴは椅子に腰かけ、アコースティックによるソロを披露した。たぶん、ソロ・アルバムとかに収録された曲だと思う。ジェフのソロに比べると長かったが、エレクトリック・ギターによる個性的というべきか、ヘタウマな演奏に比べると、随分と安定している。酒のBGMにいいなぁ。
ギター・ソロを終えたスティーヴ・ハウがコールしたのはジョン・ウェットン。このバンド、メンバー全員がMCやるのね。それはともかく、ウェットンが抱えていたのはベースではなく、アコースティック・ギターで、一人爪弾きながら、"Voice of America"を歌い上げた。
この後、更にアコースティック調の曲をプレイしてまったりした感じになったが、耳慣れた壮大なイントロが響いて、思わず身を乗り出した。E,L&Pの"Fanfare For The Common Man"だ。ウォー!こんな曲が見られるとは思わなかった。原曲はギターレスのインストだが、ここではスティーヴ・ハウも加わった派手なソロの掛け合いもある。う~む、何てカッコ良いおっさん達だろう。
デビュー作のスロー・テンポながらドラマチックな"Without You"を経て、この日、もう1曲だけ、新作からプレイされたのが"An Extraordinary Life"。この曲のイントロ、何かに似ているんだけど、思い出せない…普段絶対聴かないJ-POPの女性ヴォーカルものだと思うんだけど。CDで聴いた時はそのイントロばかりが気になって曲全体の印象が薄かったが、ライヴで見て、結構良い曲だなと見直した。
J・ウェットン絡みで絶対演奏されると思っていたキング・クリムゾンの名曲から演奏されたのは"In the Court of the Crimson King"だった。私は"Starless"が見たかったが…そもそも、"In the Court of the Crimson King"のオリジナルでウェットンは歌ってないしね。しかし、真っ赤な証明に埋め尽くされた中、演奏された「宮殿」はやはり名曲だ。
「'77年のヒット曲を演奏しようか」とJ・ウェットンが話すとジェフ・ダウンズがギラギラのラメ入りのジャケットを着て現れて笑った。最近、CM曲でも使われたバグルズの"Video Killed The Radio Star"だ。この日、唯一演奏されたディスコ、テクノに通じるエレクトロニック・ポップだが、受けに受けた。まぁ1曲くらいならね。
2ndアルバム収録曲の中で、特にパワフルな"The Heat Goes On"では、カール・パーマーのドラム・ソロが披露された。過去のE,L&Pの音源などで、その素晴らしさはわかっていたが、未だ衰えないパワフルな演奏で途中、態と空振りして笑いを取るなど、ユーモアも交えた貫禄のドラム・ソロだった。
本編ラストはデビュー作のオープニング曲"Heat of the Moment"。コーラス部分をオーディエンスと掛け合って大盛り上がりで大団円を迎えた。
アンコールは予想通り、2作目のオープニング曲"Don't Cry"。イントロの「天翔けるペガサスの如き」スティーヴ・ハウのギターが危なっかしかったが、これも御愛嬌か。ライヴ終了後に初来日公演に行っているkato-chanさんに聞いた話では当時、この曲はヒット曲にも関わらず演奏されなかったらしい。当時のヴォーカルのグレッグ・レイクが「"Don't Cry"なんて女々しい歌なんざ、歌えるかよ!」とかのたまって外されたんじゃないの。という風に勝手に結論付けたが、実際、どうだったのかな?
最後に演奏されたのはデビュー作の"Sole Survivor"だった。曲調的に「?」という印象もあったが、歌詞の内容なども踏まえて察するに、今後もバンドの活動を続けるという意思表明とも受け取れるよね。これで終演と察したところで、2階席含めて、観衆は総立ちで拍手。ベテラン・バンドのライヴでの観衆の作法はこういうものなんだな…
伝説的なミュージシャンの姿と素晴らしい楽曲、演奏を味わえ、大満足でした。お声をかけてくれた(でも、本人は参加できなかった…)cozy-tさんに感謝!!