ドリーム・シアター"Systematic Chaos"、ダウン"Over The Under"、アイアン・メイデン"Iron Maiden"、"Killers"、"The Number Of The Beast"、"Piece Of Mind"、"Powerslave"を聴いた。
夕方、kato-chan氏、たまさぶろう氏、フッチー氏と日本武道館へドリーム・シアターのライヴを見に行った。詳しくは下に別記。
その後は飯田橋にてお酒。石和の宿を2~3日借りて来たい時に来られるやり方とか、江古田のcobraでのメタルDJ大会について意見を交わした。ライヴの終演が遅かったので、あっという間に閉店時間になり解散。
ドリーム・シアター・ライヴ・レポート
会場に着いたのは丁度開場した頃…5時半頃だったか。
開演まで1時間ほど余裕もあるし、まずはグッズ売り場へ行ってみた。並んでいたら柵の外にフッチー氏らしき兄ちゃんが黄昏ていた。後で確認したら、本人だったみたい。Tシャツ3種にパーカーとプログラムがあった。パーカー類は最近、増え過ぎて困っているのでTシャツを購入した。手堅くアルバム・ジャケットのデザインを選んだのは裏面の弾丸をアリが運ぶデザインに好感を持ったため。後で知ったが、ニット帽やリスト・バンドも売り出していたものの、とっとと売りきれたそうだ。
会場内に入って座席からステージを見て思ったのは割とこじんまりしたセットだった事。モニター・スクリーンも1台しかなく、前回の国際フォーラムや前々回の武道館の3台あった時の方が良かったような気がした。新作のジャケットに描かれた信号機とか、アリといった遊び心のある小物はあったけど。
ほどなく、フッチー氏はじめ、皆が揃って歓談。座席にあったチラシにドリーム・シアター初のベスト・アルバムの告知が載っていた。"Images & Words"収録曲の音質が良くなっている以外は購買意欲をそそらないなぁ…そもそも、オリジナルを持っていたら自作するし。
開演時間の6:30、ほぼ定刻に場内が暗転、オーケストレーションによるイントロが鳴り響く中、メンバーが登場、R・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の冒頭部分をバンドで演奏する壮大なオープニングだ。そこから新作の"Constant Motion"に突入。確かに新作収録曲からライヴのオープニングを選ぶとなると、妥当な選曲だとは思う。近年のドリーム・シアターらしい平凡な歌メロにスリリングなソロ・パートをふんだんに盛り込んだ曲だ9分近い大作だ。当然、インスト・パートでは派手に盛り上がる。
続いて前作収録の"Never Enough"へ。特にアレンジなどに変更もなく、淡々と演奏された感じで自分は正直、拍子抜け。ただ、メンバーの演奏は相変わらず完璧なのだが、同時にステージでの動きがこれまでになくアクティヴでライヴ・バンドらしさがより強調されており、そういう面は好印象を受けた。ジェームズ・ラブリエのヴォーカルは前回来日時の方が良く声が伸びていたような…ま、それでもそこいらのヴォーカルよりは断然素晴らしいのだが。あと、感心するのは他人の書いた詞を、しかも、これだけ長尺な曲ばかり、モニターも使わず、バッチリ暗記している事。当たり前なようで、なかなか出来る事ではない。
雑誌のライヴ・レポートでも触れられていた2作目収録の"Surrounded"の新ヴァージョンがここで登場。基本的に歌メロは大きく変えておらず、インスト・パートをアレンジし直したという印象だ。ここでジョーダン・ルーデスがショルダー・キーボードを掛けてステージ前方に出てきて、ジョン・ペトルーシと激しい演奏を繰り広げて見せた。ロック・バンド…特にHR/HMではキーボード・プレイヤーは脇役に甘んじるものだが、ドリーム・シアターは例外。楽曲でもライヴ・パフォーマンスでも、その存在感は他のメンバーと遜色ない。
名作の誉れ高い"Images & Words"収録曲の登場で大いに盛りあがったところで、新作の"The Dark Eternal Night"を披露。この曲もライヴ向きの曲で、スリリングなソロ・パートもあるし、リフ、グルーヴも乗りやすい。また、この曲ではモニターで怪物相手にドリーム・シアターのメンバーがそのパフォーマンスによって戦うというコミカルなアニメがバックに流れ、これが曲調に見事にシンクロしていて面白かった。前日TVで見ていた「ヤッターマン」に通じる能天気さを思い出したが…ま、RUSHも似たような事をライヴでやってたけどね。
ここでジョーダン・ルーデスのキーボード・ソロへ。ピンク・フロイド、あと、自分は不勉強で気付かなかったが、マリリオンのフレーズを取り入れつつ、「ちょっと長過ぎやしないか?」と思いかけたところで、メンバーが加わり"Lines In The Sand"へ。自分はこの曲のライヴ・ヴァージョンを生で見るのは初めてで嬉しかった。ジョン・ペトルーシの繊細なギターが見事だった。このバンド、アルバムでピンと来ない曲がライヴで見る事で、「こんな良い曲だったか」と思い直させてくれる事が多いのだが、この曲はまさにそんな感じ。
同様に引き続き演奏された新作収録の"Forsaken"もライヴの方がCDで聴くより、断然魅力的に聞こえた。この曲もアニメーションが効果的だった。何だかファンタジーRPGみたいで…金かかってそうだなぁ。
第1部の締めは新作の"The Ministry Of Lost Souls"。ギターのメロディが印象的な15分近い大作だ。この曲のギターで弾く主題的なメロディなんか、ライヴなら皆で歌うべきだと思うんだけど…アイアン・メイデンとか、最近だとアーク・エネミーでもキメのギターのフレーズを皆で歌う場面が多く見られるけど、ドリーム・シアターのオーディエンスは見てるだけで参加して盛り上げる気がないのか…バンドがライヴ・バンドとして変質していっているのに、オーディエンスがプレイヤー畑ばかりから変質していないのかもしれないけど。日本以外のオーディエンスの雰囲気ってどうなんだろうね?
ここで時計は8時50分を指しており、15分の休憩が入って第2部になる。この間、室内楽演奏による"Lifting Shadows Of Dream"などがかかるのは前回と同じだったような…「第2部のオープニングは何をやるのかな?」みたいな会話をしてる間に、会場が再び暗転した。
第2部のオープニングは新作のオープニング曲" In The Presence Of Enemies Part I"だった。自分はエンディングに予想していたのでちょっと驚いた。そのまま、新作のエンディング曲" In The Presence Of Enemies Part II"に雪崩れ込み、合計25分に及ぶ組曲が完奏されて盛り上がる。個人的には、この2曲はソロ・パート以外に見聞きするべきものがなく、退屈な印象の方が強かったけど。この曲も特に"II"の部分は良いギターのメロディがあるので、ここを大合唱すれば盛り上がるんだろうけど。
続いて演奏されたのは"Metropolis-Scenes From Memory"収録の中近東音階を配したへヴィで邪悪な"Home" 。この曲は単にヘヴィで邪悪というわけではなく、歌メロも劇的で磨き込まれていて、全編に渉って楽しめるのだが、こういう大作を作って欲しいんだけどなぁ。
次にまたしてもダークな雰囲気の"Misunderstood"が登場したのは、個人的な好みの部分では全く興醒めだった。ただ、第2部の流れを見ると「ダークな曲調」を意図的に選んでいるであろうバンドの狙いがあるような気がして、それは理解できたというか…。ベスト・アルバムも"Dark"と"Light"の2枚組に分けるらしいし。ライヴの選曲は人それぞれ、好みもあるからね。
ラストはエンディングに相応しいドラマ性のある"Take The Time"。このバンドの曲には珍しく、皆で歌えるコーラス・パートもあるし、見事な大団円を迎えた。ちょっと曲をカットしたのは武道館の時間の関係か?この会場は近くに御所もあるので、かなり制約があるらしいのだ。
アンコールを求める熱烈な拍手に1分も待たせずに出てきたのも、武道館の時間の都合だろうか?「さて、何を演奏するのだろう?」と胸をワクワク…流れてきたのは神秘的なRUSHの"Xanadu"みたいなイントロ…という事は"Trial Of Tears"だろうと思ったら、ジョン・ペトルーシが"Xanadu"のフレーズを一瞬爪弾いた。「ウソだろ!」と自分は声を上げたが、オーディエンスの反応は鈍い。"Xanadu"も知らないのか…(泣)ともかく、"Xanadu"は即興だったみたいで、曲は"Trial Of Tears"へ。
ただ、この曲は以前、ライヴCD/DVD化された武道館ライヴでも演奏されており、「このバンドが同じ会場で同じ曲を芸もなく演奏するとは思えないな…」と見ていると、案の定、曲はワンコーラスで"One Last Time"に変化した。この展開で各アルバムのエンディング曲をつないだメドレーだろうと察したが、ほぼその通りに曲は進行し、"Learning To Live"をさらっとやって"In The Name Of God"の派手なソロ・パートを弾きまくって"Octavarium"で終了。
終演時間はちょうど9:30、3時間の枠内で目一杯出来るだけの事をやったという感じだ。演奏はほとんど問題なかったと思う。ベースの音は毎度の事ながら、あまり良く聞こえなかったが、あれはわざとなんだろうな…他のメンバーが弾きまくり、叩きまくりだし。誰かが一歩引かなきゃ成り立たない音楽なんだろう。視覚的にも演奏者のパフォーマンスもカッコ良かったし、スクリーンに映し出される映像も楽曲を引きたてるのに効果的だった。スクリーンが前回より減って1台しかないのには、会場の大きさにそぐわず、不満を感じたな。
個人的に最も不満なのは選曲だが、何をやっても誰かしら不満は出るんだろうし、これはこれで良かったと諦めている。今のバンドが目指す音世界…ヘヴィでダークな方向性を示す事には成功していたと思うしね。武道館のオーディエンスがそれを受け入れていたかは微妙だが…。前回の来日公演は素晴らしかったし、次回に期待しましょう。